催し

微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点

京都大学21世紀COE

 
講演会・セミナー

 

21世紀COEプログラム「微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点」

大学院生を対象とした特別セミナー

平成17年1月17日 (月)
農学部総合館 W218講義室


蛋白質の設計 − 計算による設計と実験的検証 −

河野 秀俊
(日本原子力研究所中性子利用研究センター生体物質機能解析グループ兼計算科学技術推進センター量子生命情報解析グループ・副主任研究員、
科学技術振興機構さけがけ研究者)

連絡先:西岡孝明(Tel: 6121)

 
開催報告
 演者である河野秀俊先生は蛋白質の機能予測/機能デザインの研究分野において世界的に顕著な業績を挙げている新進気鋭の研究者である。
 ある機能をそなえた新しい蛋白質を計算にもとづいて設計しようとする研究は、計算機の演算能力の向上と蛋白質立体構造データの集積とともに着実に進歩している。このような設計においては、計算にとりいれる構造要素の選択をはじめ、蛋白質の配列の設計における思想、立体構造のモデリングなど、考慮しなければならない要因は多い。さらに、設計した蛋白質の立体構造をはじめとする物理化学的な性質や機能が設計どおりかどうか、実験的に検証することも欠かせない作業である。検証結果を設計に反映させるというサイクルを繰り返すことによって、設計の思想を獲得することになるであろう。本セミナーでは,このような蛋白質の設計と検証を実際におこなっている河野先生からいくつかの具体例を挙げていただいて,設計の現状と今後の課題について平易に解説していただいたことは大変有用であった。
 本専攻の大学院生がこのような講義をうける機会が少ないので、大きな教育的効果をあげることができた。講義のレポートに書かれていた対して多くの質問に対して丁寧に答えをいただいた。