催し

微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点

京都大学21世紀COE

 
講演会・セミナー

 

21世紀COEプログラム「微生物機能の戦略的活用による生産基盤拠点」

大学院生を対象とした特別セミナー

平成16年12月13日 (月)
農学部総合館 W218講義室


RNAi の分子機構 − 遺伝子発現抑制の原理と実験技術 −

塩見 美喜子
(徳島大学ゲノム機能研究センター・助教授)

連絡先:西岡孝明(Tel: 6121)

 
開催報告
 演者である塩見美喜子先生は RNA 阻害(RNAi, RNA interferece)の研究分野において世界的に顕著な業績を挙げている新進気鋭の研究者である。
 配列特異的に mRNA が分解され、その結果,遺伝子の発現が抑制される RNAi(RNA interference)は、1998 年に線虫で報告された新しい現象である。RNAi を利用したノックダウン法は簡便であり、しかも遺伝子発現の抑制に大きな効果が期待できる。しかし、このように新しい生物現象であるので、教科書もなく、また、研究は日進月歩である。
 塩見先生はショウジョウバエの胚および培養細胞で RNAi を用いて顕著な業績をあげている。その優れた実験技術は高く評価され、「RNAi 実験プロトコール」(多比良ら編集)をはじめいくつもの解説論文を執筆しておられる。本セミナーでは,大学院生向けに発現抑制のメカニズムの解説と実験法について講演をしていただいたことは大変有用であった。
 本専攻の大学院生がこのような講義をうける機会が少ないので、大きな教育的効果をあげることができた。講義のレポートに書かれていた対して多くの質問に対して丁寧に答えをいただいた。